長時間露光の基本|水の流れ・光の軌跡を美しく撮る設定と機材ガイド

長時間露光とは?シャッタースピードで「時間」を写す技法

シャッターを長く開けることで、動きを「流れ」として写し取る撮影技法です。

長時間露光とは、シャッタースピードを数秒〜数十秒以上に設定して、動くものを「流れ」として写し取る撮影技法です。滝の水が絹のように滑らかに表現されていたり、夜景で車のライトが光の帯になっていたりする写真——あれこそがまさに長時間露光の魅力です。

下の写真は、Canon EOS 600D・18-200mmレンズ(38mm/換算61mm相当)・f/5.6・40秒・ISO 100で撮影された滝の長時間露光です。

40秒
シャッターを開けていた時間。水流は絹のように滑らかになり、岩肌の質感とのコントラストが際立ちます。
滝の長時間露光写真 Canon EOS 600Dで40秒露光 EXIFフレーム付き
Waterfall by Sebastian Appelt · CC BY 2.0 · EXIF frame added

EXIFデータを見ると、ISO 100(最低感度)に設定されていることがわかります。ISOを低く保つことで露出オーバーを防ぎ、ノイズの少ないクリーンな描写を実現している点は、長時間露光において非常に大切なポイントです。

長時間露光に必要な機材と基本設定

三脚・リモートシャッター・NDフィルターの3点が揃えば準備万端です。

必須機材:三脚とリモートシャッター

長時間露光でもっとも大切な機材は三脚です。数秒以上シャッターを開けている間に、カメラが少しでもブレると画像全体がぼやけてしまいます。

機材 用途 備考
三脚 カメラの固定 軽量カーボン製か、安定性の高いアルミ製
リモートシャッター(レリーズ) 手ブレ防止 セルフタイマー(2秒)でも代用可能
NDフィルター 日中の長時間露光に必須 光量を強制的に減らす

カメラの基本設定

撮影モードはマニュアル(M)モードまたはシャッタースピード優先(Tv/S)モードを使います。各設定のポイントを見てみましょう。

Step 1:ISOを最低に

ISO 100〜200に設定して、露出オーバーを防ぎます。低ノイズにもなって一石二鳥です。

Step 2:絞りを決める

f/8〜f/11で全体をシャープに。今回の作例ではf/5.6を選んでいます。

Step 3:シャッタースピードを設定

水の流れなら1〜10秒、光跡なら15〜30秒以上が目安。この滝写真は40秒です。

Step 4:MFに切り替えてピントを固定

長秒時ノイズ低減もオンにしておくと、ホットピクセルを軽減できます(同じ秒数の処理時間がかかる点に注意)。

被写体別の撮り方ガイド:水・光・星

被写体ごとに最適なシャッタースピードは大きく異なります。

滝・川・海:水の流れをシルクに変える

SS 1〜3秒

流れ感を残しつつ水の動きをぼかす。渓流・小川に最適です。

SS 10〜30秒以上

水面が完全にシルク状に。今回の滝写真(40秒)がまさにこのレンジです。

日中に長時間露光をするにはNDフィルターが必要です。ND8(3段分)〜ND1000(10段分)など、光量に合わせて選んでみてください。

夜景・光跡:車のヘッドライトを光の帯に

夜の交差点や陸橋から車を長時間露光で撮ると、ヘッドライトとテールライトが美しい光の帯として写ります。シャッタースピード15〜30秒が目安です。

星空・星跡:地球の自転を写し取る

30秒程度では星が点として写りますが、数分〜数十分にすると星が弧を描く「星跡(スタートレイル)」が得られます。バルブ(B)モードとリモートシャッターで撮影時間をコントロールしましょう。

まとめ:設定の組み合わせで表現の幅が広がる

長時間露光は、三脚・低ISO・適切なシャッタースピードという基本さえ押さえれば、エントリーモデルのカメラでも十分に楽しめます。Canon EOS 600Dとキットレンズクラスの機材でも、40秒露光で印象的な滝の描写が実現できています。

撮影後はChexifを使えば、EXIFデータの確認とSNS向けフレーム画像の書き出しをまとめて行えます。