長時間露光とは?シャッタースピードで「時間」を写す技法
長時間露光とは、シャッタースピードを数秒〜数十秒以上に設定して、動くものを「流れ」として写し取る撮影技法です。滝の水が絹のように滑らかに表現されていたり、夜景で車のライトが光の帯になっていたりする写真——あれこそがまさに長時間露光の魅力です。
下の写真は、Canon EOS 600D・18-200mmレンズ(38mm/換算61mm相当)・f/5.6・40秒・ISO 100で撮影された滝の長時間露光です。
シャッターを開けていた時間。水流は絹のように滑らかになり、岩肌の質感とのコントラストが際立ちます。

EXIFデータを見ると、ISO 100(最低感度)に設定されていることがわかります。ISOを低く保つことで露出オーバーを防ぎ、ノイズの少ないクリーンな描写を実現している点は、長時間露光において非常に大切なポイントです。
長時間露光に必要な機材と基本設定
必須機材:三脚とリモートシャッター
長時間露光でもっとも大切な機材は三脚です。数秒以上シャッターを開けている間に、カメラが少しでもブレると画像全体がぼやけてしまいます。
| 機材 | 用途 | 備考 |
|---|---|---|
| 三脚 | カメラの固定 | 軽量カーボン製か、安定性の高いアルミ製 |
| リモートシャッター(レリーズ) | 手ブレ防止 | セルフタイマー(2秒)でも代用可能 |
| NDフィルター | 日中の長時間露光に必須 | 光量を強制的に減らす |
カメラの基本設定
撮影モードはマニュアル(M)モードまたはシャッタースピード優先(Tv/S)モードを使います。各設定のポイントを見てみましょう。
ISO 100〜200に設定して、露出オーバーを防ぎます。低ノイズにもなって一石二鳥です。
f/8〜f/11で全体をシャープに。今回の作例ではf/5.6を選んでいます。
水の流れなら1〜10秒、光跡なら15〜30秒以上が目安。この滝写真は40秒です。
長秒時ノイズ低減もオンにしておくと、ホットピクセルを軽減できます(同じ秒数の処理時間がかかる点に注意)。
被写体別の撮り方ガイド:水・光・星
滝・川・海:水の流れをシルクに変える
流れ感を残しつつ水の動きをぼかす。渓流・小川に最適です。
水面が完全にシルク状に。今回の滝写真(40秒)がまさにこのレンジです。
日中に長時間露光をするにはNDフィルターが必要です。ND8(3段分)〜ND1000(10段分)など、光量に合わせて選んでみてください。
夜景・光跡:車のヘッドライトを光の帯に
夜の交差点や陸橋から車を長時間露光で撮ると、ヘッドライトとテールライトが美しい光の帯として写ります。シャッタースピード15〜30秒が目安です。
星空・星跡:地球の自転を写し取る
30秒程度では星が点として写りますが、数分〜数十分にすると星が弧を描く「星跡(スタートレイル)」が得られます。バルブ(B)モードとリモートシャッターで撮影時間をコントロールしましょう。
まとめ:設定の組み合わせで表現の幅が広がる
長時間露光は、三脚・低ISO・適切なシャッタースピードという基本さえ押さえれば、エントリーモデルのカメラでも十分に楽しめます。Canon EOS 600Dとキットレンズクラスの機材でも、40秒露光で印象的な滝の描写が実現できています。
撮影後はChexifを使えば、EXIFデータの確認とSNS向けフレーム画像の書き出しをまとめて行えます。