暗い場所で撮影するとき、ISO感度をどこまで上げていいか迷いませんか?
夜景やライトアップ、室内など光が少ないシーンでは、ISO感度を上げないと十分な明るさが得られません。でも「ISOを上げるとノイズが増える」と聞いて、なかなか思い切れない方も多いのではないでしょうか。
実は、ISO感度を上げること自体は悪いことではありません。大切なのは、その場の条件に合った最適なバランスを見つけること。この記事では、ISO感度とノイズの関係をわかりやすく整理して、暗所撮影で画質を守るための考え方をお伝えします。
ISO感度を上げるとなぜノイズが出るのか
カメラのセンサーは光を電気信号に変換して画像を作りますが、ISO感度を上げるというのは、この電気信号を増幅する処理にあたります。信号を増幅すると、本来のデータだけでなく微細なノイズ成分も一緒に拡大されてしまうので、ザラつきが目立つようになります。
ただ、ノイズの出方はカメラのセンサーサイズや世代によってかなり違います。フルサイズセンサーのカメラなら、APS-Cやマイクロフォーサーズと比べて高感度に強い傾向があり、同じISO値でもノイズの目立ち方に差が出ます。
つまり「ISO○○以上はダメ」と一律に決めるのではなく、自分のカメラでどのあたりからノイズが気になるかを実際に試して把握しておくのがおすすめです。
| ISO感度 | ノイズの程度 |
|---|---|
| ISO 100〜400 | ノイズほぼゼロ |
| ISO 800〜1600 | 注意深く見ると分かる程度 |
| ISO 3200〜6400 | 等倍でザラつきあり |
| ISO 12800〜 | 明確にノイズ、カメラ次第で実用圏 |
実例で見る高感度撮影|ISO 12800の夜間ライトアップ

こちらは京都の寺院で行われた夜間ライトアップを、Canon EOS 6Dで手持ち撮影した一枚です。撮影設定はEF17-40mm f/4L USMの焦点距離17mm、F5.0、シャッタースピード1/50s、そしてISO 12800。かなりの高感度設定ですが、あえてこの値が選ばれたのには理由があります。
三脚なしの手持ち撮影でブレを抑えるためには、ある程度のシャッタースピードが必要です。広角17mmなら1/50s程度で手ブレは防ぎやすいものの、暗い夜間の屋外でこの速度を確保するには、ISOをかなり引き上げる必要がありました。F5.0で撮影されていることから、F4の開放からわずかに絞って周辺までシャープな描写を狙いつつ、そのぶんの光量不足をISO 12800で補っています。
| 設定項目 | 値 | 判断の理由 |
|---|---|---|
| 焦点距離 | 17mm | 広角で寺院全体とライトアップを取り込む |
| 絞り | F5.0 | 開放F4から少し絞り、周辺までシャープに |
| シャッタースピード | 1/50s | 手持ちでブレを抑えられるギリギリのライン |
| ISO | 12800 | SS・F値を決めた残りの明るさ不足を補填 |
ISO 12800ともなればノイズは確実に増えますが、フルサイズセンサーのEOS 6Dは高感度耐性に定評のあるカメラです。ノイズが出ていても、ライトアップの暖かな光と陰影のコントラストがしっかり記録されていれば、写真としての魅力は十分に伝わります。
暗所撮影でISO感度を決めるときの考え方
暗い場所での撮影では、次のような順番で設定を考えると判断がスムーズになります。
この順番で考えれば、「とりあえずISOを低くしたい」という気持ちに引っ張られて、ブレた写真を量産してしまう失敗を避けられます。ノイズのある写真は後から補正できますが、ブレた写真はどうにもなりません。これはぜひ覚えておいてほしいポイントです。
高感度ノイズは現像ソフトである程度軽減できますが、手ブレ・被写体ブレはリカバリーがほぼ不可能です。迷ったらISOを上げて、まずブレを防ぎましょう。
ノイズとうまく付き合うために
高感度ノイズは確かに画質を落とす要因ですが、「ノイズがあるから失敗写真」とは限りません。暗所の雰囲気や臨場感は、その場で撮らなければ残せないもの。画質の完璧さを求めてシャッターチャンスを逃すよりも、多少のノイズを許容して撮りきるほうが、写真としての価値は高いことも多いです。
自分のカメラの高感度特性を知り、許容できるISO感度の範囲を把握しておくこと。それが暗所撮影で画質を守る一番の近道です。
撮った写真のEXIF情報を振り返ってみると、自分がどんな設定で撮影しているかが見えてきます。Chexifを使えば、EXIFデータをおしゃれなフレーム付き画像として手軽に確認・共有できるので、撮影の振り返りにぜひ活用してみてください。